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2nd ALBUM

ROCKSTAR CIRCUS

2017.4.12 RELEASE
品番:TCS-009 | 定価:¥2,700(tax in)

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FATHER TREE
GOD SHAVE THE QUEEN
THE DRUM AND THE FIFE
TO THE SEA
FAR AWAY
BARROOM BLUES
ATHOL HIGHLANDERS
THE FOGGY DEW
ROCKY ROAD
RISE
BOTANY BAY
THE STAR OF THE COUNTY DOWN

MV「THE DRUM AND THE FIFE」

Album「ROCKSTAR CIRCUS」Trailer

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CHAPTER 1. JOHNSONS MOTORCAR

CHAPTER 2. WILL

CHAPTER.3 NOT EASY

CHAPTER.4 TO THE NEXT..

CHAPTER.5 JOHNSONS MOTORCAR

オフィシャルインタビュー

vol1

ファースト・アルバムである前作、『ヘイ・ホー・ジョニー!!』から3年。ジョンソンズ・モーターカーは、そのとびきりの個性を少しも変わらず保ちながら、しかし大きく変化した。
そう、欧米+日本のトラッドやフォーク・ミュージックを基調にしつつも、それをロックンロールの、パンクの、さらにはハードコアの勢いでもって豪快かつ大胆に表現する彼らのサウンドは、ほのぼのと勇壮、牧歌的と攻撃的、明朗快活と漆黒の闇というような両極を平気で同時展開する。そうしたサウンドワークの妙は、セカンド・アルバムとなる本作『ロックスター・サーカス』でも存分に発揮されている。では何が変化したのか。最もわかり易いのは、演奏力の更なる向上によって、より強化されたグルーヴやアンサンブルだ。

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彼らのチームワークはよりがっちりと強固なものとなり、その結果、彼らの表現力はより大きく花開いた。そして、表現の幅を広げた彼らは、彼ら自らの人生を、その楽曲によりリアルに反映させることとなり、個々の楽曲になんとも言えない深みを、説得力を、胸を揺さぶるような感情の奔流を、大きく大きく加味することに繋げたのだ。この大いなる進化、成長について、4人のメンバーを代表し、ヴォーカル&フィドルのマーティンに聞いた。

 

――まず、前作『ヘイ・ホー・ジョニー』も、私はもちろん大好きだったんですよ。聴いていると単純にお酒を飲みたくなりますし、思わず踊り出したくもなるという素晴らしいアルバムだった。しかし今作は、それを遥かに超えて感動したと言いますか……いや、酒持ってこい感や踊り出したくなる感は変わらないんですが、そこに加えて、困難に打ち勝つ為の勇気をもらったような感覚があったんです。目の前に、困難という名の巨石が何個もあったとするじゃないですか。それをブチ壊すための巨大なハンマーを用意してくれる楽曲だったり、一緒に巨石によじのぼってくれる楽曲だったり、時には巨石を前に膝を抱えてうずくまる者に優しく寄り添ったりもするし、終いにはとんでもなく予想外の解決策を示してもくれるわけですよ、楽曲で!
「アハハハ」
――長々と喋っちゃいましたが、つまり本作『ロックスター・サーカス』は、聴いて楽しいだけじゃなく、困難に打ち勝つ力を与えてくれる、素晴らしく気持ちと勇気のこもった1枚であると。
「うん、じゃあそれで(笑)」

――軽い反応だなあ。じゃあまあ、1曲1曲詳しく追求していくことにしますね。ということで、1曲目“FATHER TREE”。私ね、この曲大好きなんですが、同時に激しく突っ込みたいことがあるんです。1曲目に相応しいガツンとした前のめりな勢いと共に、哀愁と郷愁とユーモアが同居する、まさにトラディショナル・パンクとも言うべき名曲、であると同時にぶっちゃけ、レーベルメイトであるブラフマンで遊び倒してませんか?
「ああ、アレンジが? ブラフマンが近くにいるからそう思うかもしれないけど、ブラフマン知らなかったら、そう思わなくない?」
――いやまあそうかもしれませんが、私はブラフマン知ってますし。
「そんなに似てる?」
――似てるというか、部分的にそのまんま持ってきたようなメロディーがありますよね?
「ないよ?」
――ええー。
「ハハハ。でもブラフマン意識して作った曲じゃ、ほんとになかったんだよ。まあOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDはちょっと入ってるかもしれないとは思ってたけど」
――マジで自覚なかったんすか? 私はてっきり、これが1曲目ということもあり、タクティクスレコーズ&ブラフマンに対する粋でお茶目な返答だと思い込んでたんですが。
「正直に言うと、この曲が1曲目になったのは、嫁がこの曲が一番好きだって言ったからで」
――えええええー。
「ふはははは」
――私は、ブラフマンに“ジンギスカン”を取り入れた大胆な遊びだとばっかり……。
「ジンギスカン?」
――まさか知らない?
「知らない。なに? 食べ物じゃないよね?」
――ドイツのジンギスカンというバンドの大ヒット曲の“ジンギスカン”ですよ、フィンランドのバンド、レニングラード・カウボーイズもカヴァーした!
「えー。それも知らない。俺アメリカ人だし、アメリカでは聞かなかったもん」
――マジかーー! 知らなくて「ウッ、ハー」の、これができるのって、逆にものすごく凄いことですよ!!
「ああ、そこはね、嫁さんの好きなマヌチャオからイメージしたの。そしたら嫁さんに、こういう曲ばっかり作ってくれ!って言われた(笑)」
――だああああああ!!!
「だからこの曲でイメージしたバンドがあったとしたら、マヌチャオと、あとスペシャルズとかランシドなんだよね。でもまあ間奏の徐々に上がっていく感じは、確かにブラフマンっぽいかもなあ。ブラフマン観てるから、やっぱりどっかで耳に入って残っちゃってる部分が出ちゃったのかな。でも、とにかくワザとじゃないんだ。ほんとにワザとじゃないんだけど……ワザとやりましたって言った方がいい?」
――いや、これはこれで天然で面白いのでいいかと(笑)。で、この曲の歌詞は、悪魔に誑かされる男? ぶっちゃけ、あんまりよく意味わかんなかったんですけど。
「まあ、和訳するのも大変そうだったね(笑)。
でも元の歌詞もちょっと不思議な感じで、ストレートにどういうことかは言ってないんだ。イメージしてもらう為の歌詞だからね」
――でも、テーマはある。
「うん。テクノロジーだね。テクノロジーに中毒にされている人間たち。まだ遅くない、目を覚ませ!って。電車に乗ってるとよく思うんだ。みんな周りを見ないでスマートフォンばっかりいじってたり。今は、何か説明するんでも、文字じゃなくてビデオだったりするでしょう?全部これこれこれってストレートに説明されて、何も考えなくていいからこれだよっていう感じで説明されたりする。そして若い子はそれが当然のことみたいになってる。俺、自分が年を取ってきたのもあって、そういう若い子たちの風潮がわけわかんないと思って、それでこういう歌詞を書いたんだ。だって、子供がさ、公園とかでみんなで集まっても、お互い喋んなくて携帯やニンテンドーDSばっかり見てるのって、何かおかしくない? デジタルの世界に入り込んで、周りの、木が綺麗とか空が綺麗とかがどうでもよくなってて……そういうのから目を覚ませ!って。これがデビルなんだよ、これが悪魔なんだって」
――なるほど。
「いや、俺だってスマートフォン持ってるよ?持ってるけど、嫁や子供といるときはそんなもの見ないし、電話も出ないよ」
――いや、電話は出ましょうよ(笑)。というわけで2曲目“GOD SHAVE THE QUEEN”。この曲も私、大好きなんですが、2曲目でまた大胆に曲調が変わりますよね。マイナーからメジャー調へということもありますが、それよりも何よりもガーンとなるのはやはり、この曲のリズムがいわゆる音頭であること。ドンドンドンカラカッカドドンドドン。
「そうそうそう。盆踊りね、知ってるよ(笑)。この曲のメロディーはね、ある夜に車に乗ってて思い浮かんで、ずっと歌ってたんだよね。いきなり沸いて出てきたんだ。そんで、そういう日本のメロディーにパンクのリズムを合わせてる人たちって結構いっぱいいるけど、でもそれを英語、イングリッシュ・スピーカーがやってるのはあんまり聴いたことがないなと思って。そんでそこから、俺ら4人だし、さらにインターナショナルにしよう!ってみんなで決めて、みんなでAメロ1つずつ自分の国のこと歌ってみました」
――アイルランド、オーストラリア、日本、そしてアメリカ。
「飲みすぎ&飲みすぎ、島流しとバーベキュー、オモテナシとスシ、レッドネックの田舎者。まあ自分たちのことを茶化した世界平和ソングになったんだよね(笑)」
――いい曲だし、楽しいです!あと英国国歌に因んだタイトルにも笑いました。
「まあ、アイルランド、オーストラリア、アメリカの大本はイングランド、イギリスだからね。俺等はイギリスから追い出されて自分の国を作ったっていう人たちだから、じゃあまあその元の国も茶化そうか!っていうのもあって。で、GOD SHAVE THE QUEEN、彼女の髭を剃れっていうのは、言わば定番のジョークなんだ。日本で言うところの親父ギャグみたいな感じ(笑)」
――セイブとシェイブを掛けた駄洒落ですもんね(笑)。言わばセックス・ピストルズのノリっすね。
「そうそうそうそう」
――さあそして3曲目“THE DRUM AND THE FIFE”。冒頭から突っ込み必須な2曲を経て、ここで遂に正統的にカッコいい曲がやっと来たといいますか、とにかくパワフルで勇壮なパンク版の騎兵隊曲!
「ドラムとファイフっていうのは、戦争の時に使う楽器。ファイフはピッコロみたいな小さい笛なんだけど、それがすっごく遠くまで音が届くんだ。だから、戦争の相手が見える前に音が聞こえてきて『ああ、来る!』ってなる音なの。バグパイプなんかもそうだけど、『よし、来るぞ!』みたいな、そういう音。で、この曲は、バンドのツアーと戦争は似てるっていう曲で」
――ああ、各地に乗り込んで自分たちの雄姿を見せ付けに行くわけですものね。
「そうそう。結局ツアーって、自分の街じゃないとこに行って、その街の人を自分のサイドにするっていうか、それってちょっと戦争っぽいなあって。移動も大変だし、着いたら100パーセント力を出さなきゃいけないし。で、終わったら、負けたのか勝ったのか――っていうのはお客さんのリアクションで決めるっていう。で、この曲は、そういうツアーで俺らはできるだけ勝ちたいんだけど大変だなっていう、そんな曲」
――それでかあ。私、訳詞を読んだとき、最初は人生を戦と旅になぞらえ、あえていにしえのローハイドの世界を描いたのかなと思ったんですけど、でも途中で標識とか車線っていう言葉が唐突に出てくるじゃないですか。で、ん?となってたんだけど、今の話で凄く納得しました。そのまんまツアーだったとは!
「うん。移動(笑)。そしてそれはわざとそうしたの。標識と車線がいきなり出てきて『あら?』ってなるじゃん。そこで初めてストレートなイメージになる。だから、ただの戦争の曲じゃないんだ。そんでね、この曲がPVになるの」
――おおおお、それはいいですね! 曲として凄くカッコいい上に、ライヴやツアーがテーマになった、まさにバンドを体現するナンバーなわけで。
「うん。早く出来上がった映像が見たいなあ。
ドキドキするよ。移動の途中で事故って地獄になって、地獄で鬼とかにいじめられながら一生ライヴをやり続けなければならないという罰をつけられるんだけど、でも最後には鬼と友達になって、そして勝った!っていう、そういうPVなんだ。監督がこの曲でそういう面白い発想してくれたのも嬉しかったなあ。ジョンソンズの、フザケてるけどでも本気っていうものちゃんと伝わる感じになってると思うんだ。メチャクチャ楽しみだよ」
――私も楽しみです。私ね、常々思っていることがあって、それは、隙がないカッコよさよりも、どこか隙がある、突っ込みどころのあるカッコよさの方が、真に心底カッコいいよなあっていうことで。
「ああ、それわかるよ。だってさ、ずーっとカッコいいだったら、ちょっとそれ気持ち悪くない? 俺も、ずっとカッコつけてるような若いバンドとか見てしまうと『エー』って思うもん。そうじゃなくて、カッコいいことやりつつも冗談が言えたり、涙が出せるとか、それがやっぱカッコいいと思う俺は。いや、できるだけカッコよくはしたいけど、それは本当の人間らしいカッコよさでありあたい。ミック・ジャガーとかもカッコいいじゃん?でもあの動きはちょっと笑えるじゃん? ほんとにカッコいいバンドって、そういうバランスが見事だもんね。ただ単にカッコいいだけじゃない」
――ええ。そしてジョンソンズ・モーターカーも、もちろんそうしたバンドである。ちなみに、今作を通じてのテーマのようなものはあったんですか?
「コンセプトみたいなのはないんだ。俺らは別に打ち合わせとかしないし。バンドをこうしようとかこうなろいうとかいう話も一切しないしね。ただ、今回のアルバムに関しては、コンセプトってほどでもないんだけど、少しした。それは、あんまり音を重ねないっていうこと。ライヴでやれないようなことはなるべくしないっていうこと。ファーストではね、結構音を重ねたんだ。でもね、そういう曲って、結局ライヴであんまりやってないの(笑)」
――再現できないから?(笑)。
「それもある(笑)。まあ、重ねて重ねて作り込んでやっと聴けるような曲っていうのが前回はあったの。でもね、それって結局、そんなにいい曲じゃなかったんだなって。シンプルにやっていい曲が、やっぱりいい曲なんだよ。とにかく、今回はライヴっぽい感じにしたいっていうのがあったんだ!」

 

text 中込智子

 

 

vol1

――自分たちはライヴバンドである。
「そう。俺たちはライヴバンドなんだよね。とにかくライヴがやりたいし、そもそも俺らのアルバム買ってくれる人は、大体ライヴ見て感動してくれてその場で買ってくれるんだ。ぶっちゃけ、見る前にお店で先に買ってくれる人は少ないと思うよ(笑)。だから、アルバムもなるたけライヴ見たそのまんまの形にしたかった。ライヴの楽しさっていうか雰囲気がアルバムにそのまま出るようにしたかったんだ」
――そしてその点が、ファーストの時と比べて、より明確になった。
「うん。ファーストの時は、まだよく分かってなかったんだよね。何にも分かってなかった。

hov

実はファーストの時とおんなじレコーディングスタジオで録ったんだけど、分かってやるのと分からないでやるのとじゃ、『こんなに違いがあるんだ!』っていうくらい違って、俺も驚いたんだよね(笑)」
――同じ場所、同じメンバーでやっても、こんなに違う。
「うんうん。でもそれも、ファーストがあったからこそ今回があるんだ。前回はスタジオに入ってからその場で決めることも多かったんだけど、今回はライヴを想定して、練習してポリッシュしてスタジオに入ったし。前回はね、元々あった曲も多かったけど、アルバム用のアレンジ作って2ヶ月でレコーディング入ったのに、今回は半年掛けたんだよ。そんで、メンバーみんなのいいところが出るように頑張った。できないことを無理やりやろうとするんじゃなくて、自分たちのできることをやろうと思ったんだ。そっちの方がどう考えたって自然だし、いいものができるんだよね。そう、別にさ、曲を難しくする必要なんかなかったんだよ。それは実はOAU(オーバーグラウンド・アコースティック・アンダーグラウンド)をやって、すっごく分かったことだったんだ。あと、年を取ってきたっていうのもある。若いときはさ、何でもかんでもやりたくて、難しいことや自分でできないことでもとにかくやろうとするじゃん? 1曲の中にやりたいこと全部詰め込もうとしたりして、8分くらいのわけわかんない曲ができちゃったり(笑)。でも年を取ってくるとさ、いいポップスの曲が実はAメロ2、3コードしかなかったりするってことも分かってくるじゃん。結局さ、メロディーだよね。そういう風にシンプルに考えられるようになっていったんだ」
――なるほど。様々な経験を経て、曲作りに対する考え方も含め、進化していったんですね。
「うん。曲作りも含めて、ジョンソンズ・モーターカーのライターとして、凄くレベルアップした気がする。今回」
――ですね。では話を楽曲に戻しましょう。4曲目“TO THE SEA”、ここでまたしても曲調ががらりと変わりますが、何より驚くのはこれがオリジナル曲だということで。いや、最初は、昔から語り継がれているようなトラディショナル・ナンバーかと思ったんですよ。
「そう、トラッドっぽいでしょ? これはアチーブメントなんだよね。って、アチーブメントって日本語で何て言うんだ!? あー、ええと、ちょっとだれかトランスレイター!」
――(笑)。現在タクティクス・レコーズの方が検索翻訳しております。
「えっ、『せいか?』ああそう、成果! うん成果だ。これはね、初めて凄いことができたっていう感覚があったの。今までトラッド・ミュージックをいっぱい演ってきて、やっと自分でも、このジャンルで作ることができた。トラッドのバンドが演奏しても、パブで演奏してもおかしくないような曲。お父さんが息子に教えるとか、孫に教えるような古い曲でもおかしくないような曲がやっとできたんだ。そんで、自分でもすっごい気に入ってて、すっごい好きな曲なんだけど――実はね、この曲、初めてお父さんに褒められた曲なんだ。俺のお父さんはさ、フォーク・ルーツのミュージシャンなんだけど、そういうこともあってか、今まで俺の作った曲を全く褒めてくれなかったの。いや、家族目線の時のお父さんは褒めてくれるけど、でもミュージシャンのお父さんはすっごい厳しくて、音楽に関しては超ウルサイんだよ。だからミュージシャンのお父さんから褒められるには、本当にすごいことやんないとダメで。大体『そんなのクソだ』とか『二度と聴きたくねえ』とか、そういうことばっかり言われてたし」
――ははははは。
「『俺がどんだけ頑張ってると思ってんだ! こんなに頑張ってるのにこの曲もダメ? クソなの?……じゃあもっといいものを作ろう!!』てっていうそれが、“TO THE SEA”でやっとキタんだ。音楽にウルサイ親父でも好きになってくれる曲が、やっと!(笑)。あとこの曲は海に生きる男の歌なんだけど、この前さ、横須賀のネイビーのとこでライヴやったのね、セント・パトリックス・デイ(アイルランドの祝日)に。で、ネイビーの人たちはみんな大人だし、偉い人もいるからさ、別に盛り上がりはしないんだけど、でも、この曲をやった時の反応は凄かったよ。『これは俺たちの歌だ!』みたいな感じですごく喜んでくれたのが俺らにもすごく伝わってきて。うん、すっごく嬉しかった。ほんとはフィッシャーマンの歌なんだけどね(笑)」
――海繋がりで(笑)。そういえば、マーティンさんの故郷も海沿いでしたっけ。
「フロリダはどこいっても海だからね。日本で言ったら、千葉みたいな感じ」
――フロリダ=房総半島説(笑)。斬新にして分かり易い説明が来たところで次に行きます、5曲目“FAR AWAY”。これがまた素晴らしくアッパーなアイリッシュ・トラッド・ナンバーなわけですが。
「この曲はコーラスがすごい大事。肝だよね。そんでこの曲の内容は、息子が遠くまで戦争に行って、お母さんに再び会えたのは土に寝かされた時。生きて戻って来れなかったっていう、そういう話」
――ここに描かれている主人公は、どこか自分と重なる部分があるんじゃありませんか? 
「まあね、入ってるんじゃないかな、少し。ただこの曲はね、実は逆に、フロリダに帰ってる時に作ったんですよ。で、お父さんはネイビーでもあったのね。ていうかお父さん方の家族の男たちはみんな、アーミー、ネイビー」
――軍人一族?
「うん。俺のお祖父さんは中国で日本人と戦ったし」
――まあ!?
「そう」
――その孫息子は日本で暮らして十数年!?
「そうなの(笑)。で、実家にお父さんの席があって、その周りに本がいっぱいあるんだけど、それが全部戦争とか銃とか歴史の本なのね。だから実家に帰ってお父さんと話すと、どうしても戦争とか歴史の話になっちゃって。あ、お母さんの家族は全然違うよ、お母さんの家族は、戦争しないように他の国に逃げたし」
――そうしたもろもろの事柄がこの曲の歌詞に反映されている。
「結局さ、王様のためっていうか、偉い人、大統領でもいいけどさ、そういう人に戦争に行かされて、死ぬのは行かされた人間でさ。偉い人は、他の人間の命を使って、自分のやりたいこととか考え方とか、他の国に無理やりさ。だから、戦争なんかやるもんじゃないよっていう、そういう歌。だからこの曲、曲調に反して歌詞が意外と暗いの」
――ですね。一見アッパーな曲ですし、改めて歌詞見るとびっくりするかも。
「でもね、この曲をライヴでやってると、お客さんの反応が、ある瞬間でカチっと、『あれ?』っていう感じで変わるんだ。歌詞が分からなくても、プレゼンテーションやり方、見せ方で、ちゃんと通じるんだなって思った」
――ええ。
「あとね、ほんとはこの曲書いた時、最初はOAUでやろうと思ったの。うん、OAUでやった方が自然だったかもしんない。だけど、ジョンソンズ・モーターカーにこういう曲があってもいいんじゃないか?って思って。ジョンソンズに、まだない気持ちとかノリとか、そういうのが新たに加味されるんじゃないかって、やってみたら、みんなもすごく気に入ってくれて。この曲、ベースのコールマンも一番好きだって言ってくれてるんだ。ギターのブラコも、この曲とあと10曲目の“RISE”が一番好きだって言ってた」
――実は私もその10曲目の“RISE”が猛烈に好きなんですが、話が飛んでしまいますので戻して,6曲目“BARROOM BLUES”。
「バールーム・ブルーズ、飲み屋のブルース。まあ酔っ払いの話で、これはブラコの話なんだよね。ファーストに“MANIC” って曲があって、ブラコをイメージした酔っ払いナンバーなんだけど、つまりこれはその第2弾!(笑)。曲調は全然違うけどね。この曲はリナちゃんがサウンドチェックの時にやってたキックの音から始まったの。俺ら『あのビートめっちゃいいじゃん、あれで曲作ればいいじゃん!』って」
――この曲だけ、めっちゃファンキーですものね。
「うん、この曲だけアイリッシュとかそういうの全然ない(笑)」
――全体的に今作は、ライヴ感という根幹がしっかりとあるがゆえに、逆に自由度の高さも際立ってますね。だって、実は1曲目からずっと違うタイプの曲が連発され続けてるわけで。
「ジャンルつけるのが、すごい大変なことになっちゃったよね。俺ら、英語が伝わる人にはケルティック・ジプシー・ロック・バンドですって説明してるけど、この曲とかもうラテンになっちゃってるし、全然違う(笑)」
――はははは。そして7、8、9曲目及び11、12曲目はトラッド・ナンバーをジョンソンズ流に料理。
「7曲目の“ATHOL HIGHLADERS”はほんとに古いトラディショナル・メロディーで、俺は10歳くらいに覚えたんだけど、スコットランドの曲とアイルランドの曲がセットになってるの。もう、20年以上演ってるし、ライヴでもよく演ってるから、録音しようかって。1曲ぐらいインストゥルメンタルがあってもいいかもねってなったし、お客さんのノリもいい曲だしね。次の8曲目“THE FOGGY DEW”はすごい古いすごい有名な曲で、シンニード・オコーナーとかも演ったんだけど、それをあえてこういう、エモロックみたいなこういう感じってあんまり聴いたことないし(笑)。俺も結局90Sだからさ、こういう感じ、好きなんだよ。あとこの曲、音楽と映像が同時にイメージできて、それは戦争の酷いモノクロの古いストックフォトの映像で、いつか映像も作れたらいいなって思ってる曲なんだ。あと9曲目“ROCKY ROAD”もずーっと昔からやってる曲で、しかもいろんなアレンジでやってる曲で、過去にレコーディングもしてるんだけど、ここでは元のアレンジに戻してもう一回やってみたんだ」
――何というか、今作は酔っ払いの歌として楽しいのはもちろんなのですが、そこには戦争だったり故郷に対する郷愁だったりが、背後のテーマとしてあるんですね。
「そうだね。まあジョンソンズ・モーターカーは大体、昔から旅、酒、ケンカ。昔からそうで、そこはあんま変わってないんだけど、今回はそこにメッセージを付けてるっていう感じ。旅なら、ただの旅じゃなくて、何故旅をするとか、そこに何をしにいくとか、そこがもうちょっとはっきりしてる」
――なるほど。ケンカは戦争に繋がりますしね。酒は?
「酔っ払ったら、こうなりますよっていう。イエー!からの、そこら辺に寝ちゃって財布を盗まれてガーンまで(笑)」
――はははは。はい、では再び戻って10曲目“RISE”。滅茶苦茶エンターテイメントだと思うんですよ。素晴らしい。
「この曲は一番時間をかけてライヴで変わってきた曲。ギターとバイオリンのアンサンブルも、すごくいい感じで仕上がって。俺らもほんとに気に入ってるんだよね。ただ、ほかの曲と比べて余りにも味が違いすぎて、ライヴに入れずらいんだよ、特に短いライヴとかだと入れようがないの。ただ、曲はほんとにすごいいいから、逆に、これからこの曲に合う曲をさらに作らないと!」
――なるほど。セカンドができたばっかりですが、サードもはよ作らねばですね!
「あはははは。でも、たくさんの曲をつくって、よりライヴでやりやすくしたいね」
――さあそして11曲目“BOTANY BAY”もまた昔から演奏しているトラッド。これはコールマンさんの故郷オーストラリアのボタニー湾の歌ですが、スタートレックおたくとしてはタイトルだけで悶絶します。
「なにそれ?」
――スタートレックの『カーンの逆襲』って映画知ってます?
「うん知ってる」
――そのカーンの乗ってた宇宙船の名前がボタニー・ベイ号なんですよ!
「ふーん、そうなんだ。でもこの曲もほんと有名な古い曲だよ。自分の国から出て、他の国へ行って、クソな仕事をやらされて、クソだー! みたいな(笑)。で、この曲はね、最初にジョンソンズ・モーターカー始めたときのオリジナルメンバー、今はもう俺しかいないんだけど、そのメンバーの一人が死んじゃって。『俺がこのバンドを続ける!』って、それでここまで来てるっていうのもあって」
――ああ、そういう経緯があったんですね。さあそしてラスト、“THE STAR OF THE COUNTY DOWN”なのですが、これのどこがトラッドナンバーじゃというか、むしろあろうことか、ここで最大のガーン!が来る。
「これもね、すっごい有名な曲なの。で、ビースティー・ボーイズのMCAが亡くなったとき、この曲をできるだけビースティー・ボーイズっぽくやったら、お客さんも分かってくれて、すごく盛り上がったの。それで、ファースト・アルバムのリリース・パーティーのときにもう1回やったら、なんか楽しかったんだよ」
――楽しいのは分かりますが、よりにもよってこれを最後に持ってくるのがすごいっす。
「ほんとはね、実は今回って全部で11曲だったんだ。でも、11曲ってなんか区切りがよくないというか、やっぱここは12曲だろ?ってなって、じゃあもう1曲どうしよう?ってなって……『アレは?』って俺が言ったらみんな『みんな、えええー、アレ~~!?』ってなって、入りました!で、フザケテる曲だからこそ、ものすごく真面目にやりました! 完全にヒップホップです!! 一回これ、クラブで聴いてみたいよ、DJで(笑)」
――はははは。ちなみにラジオボイスの部分なんて言ってます?
「ランJMC、ファー・イースト・クルー、タクティクス・レコーズ、イン・ザ・ランド・オブ・ライジングサン!」

 

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――はははははは。カッコいい!
「この曲、一番時間かかったんだ。スゲーのできた!っていう満足感も一番あったんだ、まあアルバムの中で一番どうでもいい曲なんだけどね(笑)」

 

 

text 中込智子

 

 

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